真夜中は純潔。

昨夜、床に就いて
ウトウトし始めた頃。



友達カラ電話が
かかってきた。






「Hello〜♪」


「…う〜…Hello〜…」


「ひろ、わかる?」


「わかるよ、Sでしょ」





ハワイの大学に通ってた
台湾人の男の子。
もう5年以上の
付き合いだわ。

ハワイで知り合って、
向こうに行く度に
遊んでた子。


ワタクシ達は仲間内で
ハワイに特定の
ボーイフレンド(日本人)がいて
いわゆる“リゾラバ”
ッつ-のをしてた。

そのボーイフレンドが
仕事してる間は
しょっちゅう
Sと遊びに行ったなぁ。



今日は何する?
ノースに行こうよ♪
カラオケ行きたい
買い物付き合うよ!
クラブ行くよ




本当に毎日、
うちらに
付き合ッてくれて
車も出してくれたし…
色々なトコ行って
沢山の時間を共有した。

Sとワタクシ達は
下心無しの友人。
無邪気で人懐っこい…
でもクセのある子だった。



「今…何処にいるの…?」


「東京の貿易関係の仕事
辞めちゃってさぁ…
今、大阪に住んでるよ」


「また危ない事
してない?
捕まったら日本に
いられないんだカラね?」


「うん!今プーなの!
ひろ、大阪に
遊びに来て!
そんでハワイ行こう」



なんだその唐突な話は。



「大阪は行けそうだけど
昔みたいに
お金持ちじゃないカラ
今はハワイは難しいよ〜。」


「そっか…
じゃ来月台湾に
一緒に行こう!
俺、ビザ取りに帰るし、
2月は旧正月だカラ
楽しいよ〜」





行きてぇ…………!





けど休めねぇ…



来月中頃カラ
花粉が飛び始めて、
1年で一番忙しい季節が
やってくるのよ。


台湾行ってる暇なす。




その後一時間くらい
喋って電話切ったけど。




30秒後。






「ひろ〜!
言い忘れてた。」


「なんですか」



「2年前、
俺が落ち込んでた時
話聞いてくれて
ありがとう」








なんだか
瞼を閉じて
眠りに就くその瞬間、
ほっこりしますた。




いえいえ。
ワタクシなんていつも
してもらっちゃう
ばかりで
何もしてないわよ。


S、いつか
台湾の臭豆腐
食べさせてクリオネ